偶々でしょうが、最近遺言さえあればこんなにややこしいことにならなかったのに!と思う事件が多いので、今日は一番簡単に書ける遺言についてお伝えしようと思います。
遺言の代表的な方式として、自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、公正証書遺言は証人2人を探したり、公証人との打ち合わせや役場に行ったり(手数料を払えば出張も可能です)しなければならないので、手軽に残せるのは自筆証書遺言になります。自筆証書遺言は遺言者一人で紙とペンさえあればできますので。
さらに、内容としては特定せず「私の全財産を」といった内容であれば更に簡略化できます。例えば
遺 言 書
私は、長男甲野太郎(昭和〇年〇月〇日生)に対し、私の有する財産の全てを相続させる。
私は、この遺言執行者として、長男甲野太郎を指定する。
令和〇年〇月〇日
〇市〇町〇丁目〇番〇号
乙野花子 ㊞
全文自書で、日付は〇日まで特定してください。捺印は認印で構いません。
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認を要しますが(法務局による遺言保管制度を利用した場合は不要)、検認手続きは難しいものではありませんので、専門家に頼むまでもないでしょう。
ただ、上記の例のように全財産を相続させる場合には、遺留分の問題が生じることがありますので、この点は考えておく必要があります。とはいえ遺言があるのとないのとでは雲泥の差です。特にお子さまいらっしゃらず、兄弟姉妹が相続人となる方の場合には有用となります(兄弟姉妹には遺留分が認められておりません)。
ですので、とりあえず自筆証書遺言を残しておく。
そして、よりきちんとしたものを残しておこうと考えた時には公正証書遺言を検討されてはいかがでしょうか。
それでは、本年も週一更新を目指していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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